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新選組局長 近藤勇

  • 2019年4月10日
  • 読了時間: 4分

更新日:1 時間前


孤軍援絶作囚俘 顧念君恩涙更流


この辞世の句は誰のものでしょうか。天然理心流四代目宗家と言えば、幕末の京都にその名を轟かせた新選組局長「近藤勇 辞世の句」です。


この詩の意味は、「孤立した軍は援軍を失い、ついには捕虜となった。改めて将軍家から受けた恩を思えば涙がはらはらと流れてくる思いだ。


一片の真心を尽くした忠義の気持ちは、殉じても変わることはない。今は、唐の滅亡に際して睢陽城を守って戦った張巡を、我が友と思えるような心境である」


森林の中に立つ石碑。黒い石に縦書きの漢字が刻まれている。背景には木々があり、秋の雰囲気が漂う。

福島県の奥会津へ向かう道をたどり、山あいに静かに佇む近藤勇の墓標を前にすると、歴史の終幕というものが、どれほど静かに訪れるのかを思わされます。


ここは、戊辰戦争という巨大な時代のうねりに飲み込まれた男の敗北と、矜持が眠る場所なのです。


新選組局長

新選組局長「近藤勇」は前身であった「壬生浪士組」の3名いた局長の一人でした。初代筆頭局長「芹沢鴨」と水戸藩浪士出身「新見錦」です。


京都で「壬生の狼」と恐れられた剣客集団の頂点に立ち、徳川幕府への忠誠を貫いた男たちです。


彼らは壬生浪士組として決起しその後、新選組として京都守護職松平容保のもと、会津藩の支配下にありました。


〒965-0812 福島県会津若松市慶山


その後時代が流れて日本は「開国派」と「攘夷派」による究極の選択を迫られることとなります。


1867年10月 将軍:徳川慶喜により大政奉還が決行され、のちに新政府軍対旧幕府軍との戦いが続き、1年にわたる戊辰戦争を迎えることになります。


鳥羽・伏見の戦いで旧幕府軍が敗れると、時代は急速に徳川から新政府へと傾いていきました。かつて京の治安を守った新選組も、もはや「賊軍」と呼ばれる存在になってしまったのです。



1868年、近藤勇は下総流山で新政府軍に包囲されます。彼は隊士たちを逃がすため、自ら出頭したとも言われています。


近藤は「大久保大和」と変名して助命を試みるのですが、新政府側は彼を見逃しませんでした。なぜなら近藤勇とは、単なる一武士ではなく、徳川体制そのものを象徴する人物だったからでした。


そして、鳥羽伏見の戦いで激闘の末捕縛され、斬首刑に処せられ、最後はその首を京都三条河原にさらされました。わずか35年の生涯をそこで閉じることとなります。その後その首の行方は定かではないそうです。


森林の中にある墓の画像。墓石に文字が刻まれ、周囲に花と供物が供えられている。静かで厳粛な雰囲気が漂う。

不思議なことに同志であった「土方歳三」によって、彼の遺髪をここ会津若松市内に葬ったとされているようです。


会津の空気には独特の静けさがあります。それは敗者の歴史を抱え続けてきた土地特有の重みかもしれません。


墓標の前に立つと、すぐ近くにある観光地的な華やかさはほとんどありません。むしろ感じるのは「歴史は勝者だけでは語れない」という事実でです。


近藤勇は英雄だったのでしょうか。それとも時代錯誤の武士だったのでしょうか。今となってはその答えは簡単には出そうにありません。


しかし少なくとも彼は最後まで、自らが信じた秩序のために戦った一人の人間でした。そして援軍も希望も尽きた時、自らの境遇を誇張せず、一句の漢詩として刻みつけたのです。


森の中の階段に囲まれた石碑と小さな祠。横には「View Spot No.14」と大きな白い説明板があり、紅葉した葉が地面を覆う。

ここにたどり着くまでに、少し迷いました。どうにも道らしい道がなく、途中倒木があったり、辺りは落ち葉で埋め尽くされており「こんな山の上に本当にあるのか」と断念しそうになりました。


諦めず探し続ける事1時間程度で、お墓の位置を示す矢印の看板が目に入り、ようやくお参りする事が出来ました。



会津の山風の中でこの言葉を思い返すと、近藤勇という男は単なる“剣客”ではなく、「時代に取り残された最後の武士」の一人だったのではないかと感じたのです。


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