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識の高杉晋作、才の久坂玄瑞

  • 2020年1月3日
  • 読了時間: 4分

更新日:5 日前


幕末の志士 高杉と久坂は双璧


幕末―そして時代は明治へ―それは、昨日までの常識が180度ひっくり返るという時代の流れにおいて、これまで265年間続いた「江戸」が音を立てて崩れ、新しい時代の息吹が日本列島を駆け抜けた、まさに日本の“革命前夜”でした。


その激動の中心にいたのが、長州藩の若き志士たち。中でも、維新の流れを大きく動かした三人――高杉晋作、久坂玄瑞、そして木戸孝允です。

もし幕末を「一つの物語」とするなら、外すことは不可避、彼らは間違いなく主役級の存在であることは言うまでもありません。



〒758-0077 山口県萩市南古萩町23

高杉晋作の説明板。左に彼の写真、右に日本語の説明文。背景は白、気品のある雰囲気。年表は1839年~1867年。

型破りの革命児:高杉晋作の名言

おもしろき こともなき世を おもしろく」や「人間というのは、困難は共にできる。しかし、富貴は共にできない」など、此方も芯を喰っているなぁと思ってやまない。


高杉晋作は、既存の身分制度を打ち破り、武士も農民も関係なく兵を募った「奇兵隊」を結成していました。


百万の大群、恐るるに足らず。恐るるべきは、我ら弱き民、一人ひとりの心なり

幕末の尊王攘夷派の機運高まる中、奇兵隊を率いて倒幕活動を行うのでありますが、その構成員は、武士だけでなく、志願制をとり、農民、漁師や中には力士や僧侶もいたそうです。


当時の日本では“身分こそすべて”であったため、それをあえて壊した彼の発想は、今で言えば「学歴も経歴も関係ない、実力主義のスタートアップ」を立ち上げたようなものです。


彼もまた松下村塾の塾生で久坂玄瑞と「識の高杉、才の久坂」と称され、松下村塾の双璧と呼ばれるまでに至ったそうです。


とにもかくにも、朝敵とされた長州藩一藩だけで、幕府軍相手に戦いますか?無謀・ヤケクソといった風にとらえられてもおかしくない状況で、実質的に勝利を手にしてしまうところが、魅了して止まないのでしょう。


情熱の知将:久坂玄瑞の名言

富士の御山は崩るとも、心岩金砕けやせぬ、これ、砕けやせぬ

一方で、久坂玄瑞は冷静な頭脳と燃えるような志を併せ持つ戦略家でした。尊王攘夷「天皇を敬い、外国勢力を排除する」という思想に強く共鳴し、長州藩の思想的リーダーとして活躍します。


そのすごさの所以は、「理想を語るだけで終わらない」ことにありました。政治・軍事の両面で具体的な行動に移し、仲間たちを導いていきました。


しかし、その情熱は時に激しすぎるほどで、京都での戦い(禁門の変)では自ら命を絶つという壮絶な最期を迎えます。まさに“燃え尽きるように生きた男”。短い生涯ながら、その存在感は圧倒的でした。


また、久坂玄瑞は坂本龍馬に、藩の枠組みを越えた志士の団結を意味する「草莽崛起」の思想を教えたとされており、日本を変革するのは、藩の権力を持たない一般の志士(草莽)が立ち上がることだと伝えたとされています。


木戸孝允(桂小五郎)の名言

才才を恃み愚は愚を守る

この言葉の意味としては、賢き人は自身の能力を頼りにして努力することを怠る、逆にそうでない者は、そのことを自覚しているので努力する。


人間力の差は、生まれ持って身に着けている能力ではなく、その後に頑張った努力や生き方であるとの教えだそうです。


木戸孝允(桂小五郎)の肖像画と詳細な説明文。年表と生涯に関する情報が書かれた展示パネル。背景に柔らかい色合い。

大道行くべし、又何ぞ防げん

この言葉は、人は進むべく正しい道を進むべきだ、その道を妨害するものは何もない、といった教えだそうです。


後に明治政府の中枢を担う木戸孝允です。彼は一言でいうと「調整役の天才」。過激な行動に走りがちな長州藩の中で、冷静に全体を見渡し、時にはブレーキをかけ、時にはアクセルを踏む。


さらに、薩摩藩との同盟(薩長同盟)を実現させ、日本の未来を大きく動かしました。

もし晋作が“突破力”、玄瑞が“情熱”だとすれば、木戸は“設計力”。この三つが揃ったからこそ、歴史は動いたのです。


紫色の背景の写真に、着物を着た男性が写っている。写真は額に入っており、下に「断髪前の木戸孝允」と書かれている。

彼もまた維新三傑の一人。幕末の志士時代には、何度も命を狙われ、尚も京都で活動を行い続け、倒幕後の明治維新の真っただ中も、内政穏やかならない時代を権力闘争に明け暮れる。この時代だからだと片づけることは到底できないですよ。


現代に通じる「維新のヒント

彼らの生き様は、決して過去の物語ではありません。変化の激しい現代においても――「前例がないからやらない」のか「前例がないからこそ挑戦する」のかその選択は、まさに幕末と同じです。


高杉晋作のように常識を疑い、久坂玄瑞のように志を燃やし、木戸孝允のように全体を見渡す。この三つを持てたとき、私たち自身の“維新”もまた、静かに動き始めるのかもしれません。


しかし思うに、何がこうまで人を突き動かすのだろう。とそんなことを考えながら、写真の前でしばらく考えていました。



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