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CAN-AMSPYDER

  • 2021年10月7日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月28日

CAN-AMSPYDER 三輪トライク



今日はこれで走るのか


朝の空気は、まだほんの少しだけ冷たさを残していた。けれどその冷たさが、これから始まる特別な一日をより鮮明に感じさせてくれる。胸の奥で静かに高鳴る鼓動を感じながら、私はその場所に立っていた。


目の前に並ぶのは、普段見慣れたバイクとはまったく違う存在感を放つマシンたち。can-amの「SPYDER F3」が1台、そして「RYKER」が2台。まるで未来からやってきたかのようなフォルムは、見る者の心を一瞬で奪う不思議な魅力を持っている。


今日はこれで走るのか――


そう思った瞬間、胸の奥に小さな火が灯った。期待と、ほんの少しの不安。それが混ざり合い、なんとも言えない高揚感へと変わっていく。


CAN-AMSPYDER F3は1300cc、RYKERは900cc。数字だけ見れば、そのパワーは明らかだ。しかし、この乗り物の面白さは単なる排気量の大きさでは語りきれない。ハンドルに手をかけた瞬間、私はすぐにそれを理解することになる。


エンジンをかけると、低く響く振動が身体に伝わってくる。その音は、どこか安心感を与えながらも、「さあ行こう」と背中を押してくるようだった。走り出した瞬間、私は思わず息をのんだ。


CAN-AMスパイダー

これは、バイクでもない。かといって、車やカートでもない。三輪という独特の構造が生み出す安定感。けれど、決して“守られているだけ”の乗り物ではない。


風はダイレクトに身体を通り抜け、路面の感触がしっかりと伝わってくる。自分が「走っている」という実感が、こんなにも鮮明に感じられるとは思わなかった。


カーブに差しかかる。身体を少しだけ傾け、ハンドルを操作する。すると、思った以上に素直にマシンが応えてくれる。その一体感に、思わず笑みがこぼれる。


なんだこれ、楽しい…!


気づけば、心の中でそう呟いていた。走ること自体が、こんなにも純粋な喜びになるなんて。隣を走る仲間の姿が視界に入る。ヘルメット越しでも分かるほどの高揚感が、その仕草から伝わってくる。言葉なんていらない。ただ同じ時間を、同じ風を感じている。それだけで、十分すぎるほど満たされていた。


鳴門大橋


道はやがて、海へと続いていく。視界が開けた瞬間、思わず息をのむ光景が広がった。青く澄み渡る空。その下に広がる穏やかな海。そして、その景色を堂々と横切る巨大な橋――鳴門大橋。


CAN-AMスパイダー3台

その全てが、まるで一枚の絵画のように美しかった。エンジンを止め、マシンから降りる。

さっきまで身体を包んでいた振動が消え、代わりに静かな風の音が耳に届く。


その対比が、今この瞬間をより特別なものにしてくれる。橋を眺めながら、私は深く息を吸い込んだ。潮の香りが、胸いっぱいに広がる。


いいな…この時間


誰に言うでもなく、そんな言葉がこぼれた。忙しい日常の中で、私たちはつい忘れてしまう。何かを感じることの大切さを。風の匂い、空の色、そして心が震える瞬間を。けれど、こうしてほんの少し立ち止まるだけで、世界はこんなにも豊かだったのだと気づかされる。


ふと、先ほどの走りを思い出す。


エンジンの鼓動、風の感触、そしてマシンと一体になったあの瞬間。それは単なる移動ではなかった。まるで、自分自身と向き合う時間のようでもあった。年齢なんて関係ない。経験だって関係ない。ただ「楽しい」と感じる心さえあれば、誰でもこの世界に飛び込める。


SPYDER F3の力強さも、RYKERの軽快さも、それぞれが違う魅力を持っていた。けれど共通しているのは、「新しい体験を与えてくれる」ということ。


初めてのものに触れるとき、人は少しだけ勇気が必要になる。けれど、その一歩を踏み出した先には、必ずと言っていいほど新しい景色が待っている。今回のツーリングは、まさにそれを教えてくれる時間だった。再びマシンにまたがる。


明石海峡大橋

帰り道が始まるというのに、不思議と寂しさはなかった。むしろ、どこか満たされた気持ちが胸に広がっている。エンジンをかける。あの鼓動が、再び身体に響く。


けれど今度は、最初とは違う。少しだけ、このマシンと“通じ合えた”ような気がするのだ。

走り出す。風が頬を撫でる。そして私は思う。きっとこの感覚は、忘れることがないだろうと。


離れ小島に橋

日常に戻ったとしても、ふとした瞬間に思い出すはずだ。あの海の色を、あの橋の存在感を、そして何より、心が自由になったあの時間を。


ほんのひとときの出来事かもしれない。けれど、そのひとときが、確かに自分の中に残り続ける。それは「安らぎ」と呼ぶには、少しだけ特別すぎるものだった。胸が高鳴るような、そしてどこか優しく包み込まれるような感覚。


のんびりとした庭園

そんなドキドキを、私は確かにこの旅で手に入れたのだ。

もし、日々に少し疲れてしまったとき。

もし、何か新しい刺激を求めているのなら。

ほんの少しだけ、勇気を出してみてほしい。


見たことのない乗り物に触れ、走ったことのない道を走る。それだけで、世界は驚くほど色鮮やかに変わる。そしてきっと、あなたの中にも新しい鼓動が生まれるはずだ。あの日、あの場所で感じたように。


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