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「ひろめ市場」のカツオたたきはなぜ人気?

  • 2018年12月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:3 時間前


実際に食べてわかった魅力 外の空気までおいしい!


高知市中心部にあるひろめ市場は、高知グルメを楽しめる人気スポットです。


炎を背景に、切り分けた明神丸の藁焼き鰹たたきが並ぶ商品広告。小分け3パック、白と金の文字入り。

【明神水産】 鰹のたたき 明神丸 カツオ 一人前 3パック


カツオたたき

なかでも名物の「カツオの藁焼きたたき」は多くの観光客が目当てに訪れるほど人気料理。今回は実際に食べて感じた魅力やおすすめの楽しみ方をハードボイルド風で紹介します。


ひろめ市場の入口。招き猫の看板と「ひろめ市場」の大きな文字、店内に人が集まり、KIRINの広告も見える。

男には、どうしても高知へ行かなければならない夜がある。


高知の中心地ではいつも「潮の香り」と「危険な匂い」に誘われるのだ。その匂いに導かれるれるようにして足を踏み入れるのが「ひろめ市場」だ。


ここは酒飲みと食いしん坊の欲望が、これでもかと煮詰められた巨大な胃袋の中なのだ。


昼からジョッキを掲げる猛者、真剣な顔で皿を見つめる観光客、地元の侍(おっさん)たちの豪快な笑い声。どこを見ても人生が発酵して熟しているのだ。


しかしだ、これだけ大勢の人間が「組んず解れつ」酒池肉林ある中で、主役はただの一人だけなのだ。それが・・・


〒780-0841 高知県高知市帯屋町2丁目3−1


明神丸」のカツオたたきだ。


しかも、ただのカツオじゃあない。「カツオの藁焼きたたき」なのだ。高知県民が誇り、旅人が恋に落ち、ダイエット中の人間が理性を失う危険物である。


土曜日の17時に到着したらほぼ満席確定。15分ほど席を探してようやく確保できる始末だ。なんということだ。平日だぞ。ありえんのだ。が、あり得るのだ。


注文すると、目の前で藁に火が放たれる。明神丸の「カツオの藁焼きたたき」は表面だけを高温で一気に焼き上げる高知の郷土料理だ。


目の前で炎を天井近くまで上げて、串焼きにしたカツオのたたきの実演が観ることができるのだ!


屋根付き商店街の入口。青い「帯屋町二」と英字「OHASHIDORI」の看板があり、明るいアーケードに店舗案内が並ぶ。

初めて見る者にとっては、その炎ははるかに想像以上であろう。「焼く」というより「襲いかかる」が近い。


目の前で立ち上る炎を見ていると、夕食というより事件現場に立ち会っている気分になるのだ。


ボォォォッ!まるで刑事ドラマの爆破シーンだ。「西部警察」ではないぞ、「ダイハード2」にちかい。


炎は人の背丈ほどまで立ち上がり、カツオを一瞬で包み込む。その目の前で繰り広げられる光景を見ているだけで、なぜか自分までワイルドになった気がするではないかっ!


今日から俺も海の男だ」そう思った5秒後には、席でキンキンに冷えたウーロン茶を飲んでいるのだが。


青いひさしの店の外観。大きな和風看板と赤い日本語表示があり、前に自転車やベンチ、街路樹が並ぶ晴れた街角。

ここは、一階部分がお土産屋さんになってます。カツオのたたきもたーくさん!


やがて藁の焼けた残り香を放つ店員と共に皿が目の前に運ばれてくる。黒く焼き締まり少し反り返った表面。ほんのり立ち上る藁の追い香。この香りは煙などではないのだ。


香り」という名の「ジャブ」いや「井上尚弥のストレート」いやいやもっとだ。そう「暴力」だ。鼻孔を殴り、脳を揺さぶりって胃袋へ直接、そうダイレクトに深く重く突き刺さる。


早く食え」と。


ひと切れ箸でつまむ。分厚い。本当に分厚い。分厚いのは面の皮だけにしてくれとは思わないが、都会の居酒屋で見る薄切りとはまったく、全然異なる別の生き物だとうなずく。


急ぎながらもゆっくりゆっくりと、そう切り身に写り込む自分が目線から消えるようにして大きく開いた口へ運び入れる。


そして上顎と下顎を見事に重ね合わせるようにして「噛む」・・・。


焼き牡蠣の店先。赤い丸ロゴと金色の看板に「薫焼き蟹たたき」「明神丸」、白い暖簾の下に客や店員の後ろ姿が見える。

まず藁の香りが爆発する。パネエほどに口いっぱいに広がるのだ。次に表面の香ばしさだ。そして中から現れるのは「ほぼ刺身状態」のレアなアレだ。


濃厚。圧倒的濃厚。


カツオが「魚界の赤身王」と呼ばれる理由を「」が理解するのにまったく時間はかからないだろう。


さらに高知流は塩だ。ポン酢もいい。だがまずは塩一択だ。これがまた憎らしいじゃあないか。シンプルなのに旨味が何倍にも膨れ上がってくる。


まるで無口なハードボイルド探偵が、最後の一言だけで事件を解決するような説得力。余計な説明はいらないのだ。


うまい。絶妙にうまい。ストレートに美味いのだ。


ただ・・・それだけだ。それだけで十分なのだ。満たされていく。ああ満たされている。


定食のトレーに、藁焼きのかつおたたき、白ご飯、味噌汁、小鉢が並ぶ。木目の店内で、赤い椀と黒い盆が印象的。

気がつけば追加注文しているのだ。人類は同じ過ちを繰り返す生き物だが、この過ちは何度でも歓迎したいほどだ。


高知へ行ったら、観光計画なんて後回しでいい。まずは「ひろめ市場」へ向かえ。そして必ず席を確保しろ。飲める奴はビールを置け。そして藁焼きたたきを注文しろ。


目の前に現れたその一皿は、これまでに見たどんな店先の料理よりキラキラしているはずだ。そして鼻の孔大きく広げて「」を肺胞一つ一つに沁み込ませるように嗅げ。


そしてひと口噛めば、赤身の旨味が津波のように押し寄せ、気づけばビールジョッキを探しているであろう。


黒い盆にカツオのたたき、みそ汁、紙コップ、箸袋。青い箸袋に明神丸と書かれ、食事前の落ち着いた定食風景。

高知の「」「職人の技」「豪快な県民性」そして酒飲みたちの魂が凝縮されたエンターテインメントの始まりだ。


一通り気の済むまで食というものを堪能したなら、きっとこう思うはずだ。「ああ日本に高知県があって良かった」と。たとえ県内の人口が過去最大のペースで減少していても「愛している」と。


もし深夜にこの文章を読んでいるなら覚悟したほうがいい。今あなたの胃袋は「すでに高知へ向かっている」であろう。



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青いのれんの和風食堂「皆味 大助」の店先。木戸と白い看板に筆文字のメニューや案内が並び、落ち着いた雰囲気。

ココに来たらこれでしょ!


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