top of page

東北のホワイトアウトを経験

  • 2019年4月10日
  • 読了時間: 4分

更新日:3 日前


高速道路が低速道路と化す東北


白い地獄—ホワイトアウトに飲み込まれた夜

一日目の終着地点である目的地「蔵王」を目指していました。この日は天候は大荒れ予想でしたがこの時、まさかここまでになるとは、思いもよりませんでした。


冬の東北の高速道路をけっして甘く見てはいけない。昼間は穏やかだった空が、夕方を過ぎた瞬間に牙を剥いたのだ。乾いた雪が横殴りに吹き始め、フロントガラスに叩きつけられる音が、次第に“警告”へ変わっていくのがわかった。


軋み音と共にワイパーは全力で動いている。動いているはずなのに全く無意味となってゆく。前方に見えていたテールランプが、一台、また一台と消えていく。


冬の道路を走行中の車のフロントガラスから見た風景。薄暗い空に雪が舞い、木々と遠くに橋が見える。冷たい雰囲気。

だんだんと日も暮れ始め、北上するにつれて車窓の景色が猛スピードで変化してゆく。やばい、ホワイトアウトになる。


そして—世界から「」が消えたのだ。


目の前が“真っ白”になる恐怖を初めて味わうことになるのだが、この体験が最後でもあるかもしれないとハンドルを掴む手が震えた。


ホワイトアウトとは単なる大雪ではない。雪と風が一体となって視界を完全に覆い隠してします現象だ。先程まで視界に入って認識していた道路も、空も、ガードレールも、境界線がすべて消えてなくなる。



高速道路を時速80kmで走っていて、本当に突然視界がゼロになるのだ。気が付く間もなく襲ってくる。それがどれほど恐ろしいか経験者にしか伝わらないのが非常に残念だ。


更にハンドルを握る手に力が入る。「この先に別の車が止まっていたら?」・「今、自分は車線のどこを走っているのだ?」・「次の瞬間、追突されるんじゃないのか?」脳が一気に緊張状態へ入る。


ルームミラー・ドアミラーを見る。更に目視で確認しなければと後ろに一瞬目をやるのだが後続車のライトすら見えない。孤独だ。静かだ。なのに恐怖音だけが異常にうるさいのだ。


森の中で雪が降る風景。手前にガードレールがあり、背景には緑の木々と枯れた木々が混在。寒い冬の静かな雰囲気。

吹雪

とうとう吹雪になってきた。いや既になっていたのである。スタッドレスタイヤだということは何の気休めにもならず、雪で覆われた道は不慣れな私の心を恐怖でいっぱいにした。


それでも「どうか、どうか滑りませんように!


東北のドライバーが口を揃えて言うことがある。「見えるうちに逃げろ」これが鉄則だ。


吹雪は“徐々に悪化する”とは限らない。本当に危険な時は、数十秒で世界が変わる。「まだ行けそう」・「もう少しでSAだから」・「自分は雪道に慣れてる」—この感覚が一番危ない。


ホワイトアウトでは、運転技術よりも“撤退判断”のほうが重要になると。


雪の積もった木々が立ち並ぶ冬の森。針葉樹の枝に雪が積もり、静かで冷たい雰囲気が漂っている。背景には裸の木々。

辺りは、あっという間にこんな感じに変貌した。ここは今4月であり、真っ白な空間に突っ込むということは本当に想定外だった。


視界ゼロでは、ハザードランプも雪に埋もれる。車間距離を極端に広く取り、前車を追いかけすぎないことが重要だと気づく。


前の車についていけば安心だ」は最悪のトラップだ。前車が事故れば必然として自分も突っ込むことになる。日が沈みかけた今、事故をした場合にエンジンが止まったら「凍死」も十分ありうる。


怖くなって路肩に一時停止させることは非常に危険な行為となる。なぜなら「後続車が停車中の車がある」と認識してもらえるかわからないからだ。


低速走行しているだろう」と誤認して気づいた時にはブレーキは利かない。高速道路上で“見えない停止車両”になる恐怖は想像以上となるのだ。


雪が積もった木々と小川の夜景。静かな冬の風景で、白い雪が木の枝に美しく覆われている。月明かりが幻想的な雰囲気を演出。

吹雪では、自分が見えるかどうかより、他車から認識されるかが重要なカギとなる。昼でもライトはつけっぱなしにし、フォグランプがあるなら積極的に使うことが賢明な判断だ。

この場合「自分は見えている」は全くと言っていいほど通用しない。


渋滞や通行止めで、数時間立ち往生するケースも想定しておかなければならない。TVニュースでよく見るあれだ。今回は幸いにしてガソリンは満タンでスタートしたためその心配は回避することができた。



燃料半分以下で雪道へ入るのは危険極まりない。雪国で生活される方の話を聞いたことを思い出す。ガソリンスタンドは点在しているが、24時間で稼働していないこともあり、メモリが一つ減った時点で給油しなければ落ち着かないというものであった。


スマホ充電機・毛布・飲料水・防寒具等これらのアイテムは必需品であるが、本来はこれでは全く足らない。それでも冬の東北道では、それらは“快適装備”ではなく、“生存装備“になるのだ。


深夜の風景。雪が積もった木々と地面。左に「蔵王国際ホテル」の看板が光り、辺りは静かな雰囲気。

不思議なことに、ホワイトアウトの世界には音がないのだ。なぜなら雪がそのすべてを吸い込んでしまうからだ。タイヤのロードノイズすら遠くなる。


その静けさが、逆に恐怖を増幅させる。だが同時に人は自然の圧倒的な力を思い知る。東北の冬は本当に美しい。しかしその美しさの裏には一瞬で命を奪う厳しさが潜んでいる。


もし冬の東北道を走るなら初めから「無理をしない」その一言が、あなたを家まで帰してくれる。


見えた!一筋の明かりが、ゴールの文字が。ここまで来て事故でもしようものなら、まったく話にならない。油断禁物。最後まで安全走行で・・・無事に到着。



関連記事

騎馬する甲冑姿の武士像。背景は曇り空で、強さと威厳を感じさせる。像は黒色で詳細に細工されている。

独眼竜の聖地


コメント


特集記事
アーカイブ
タグ

レガシーホームスタイル株式会社

〒661-0965 兵庫県尼崎市次屋二丁目17-15 1階 amagasaki-hyogo-japan

TEL:06(4950)0874
FAX:06(4950)0873
bottom of page