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商売繁盛の秘訣

  • 2019年4月13日
  • 読了時間: 5分

更新日:5 日前


繁盛店「主婦の店 さいち」


宮城県仙台市太白区――温泉地として知られる秋保(あきう)の街に、全国からわざわざ足を運ぶスーパーマーケットがあります。それが「主婦の店 さいち」です。


一見すると、ごく普通の地域密着型スーパーのようですが。しかーし、ここには“日本一有名なおはぎ”とも呼ばれる存在があります。その名は「秋保のおはぎ


スーパーの駐車場で警備員が誘導。背景に「生鮮の店さいち」の看板と建物。白い車や満車の立て札が見える。曇り空。

AM7:30起床。爽やかな?寒い朝を迎える事が出来ました。昨夜降り積もった雪であたり一面真っ白!緊張しながらハンドルを握り出発です。向かった第4の目的地がここです。


なぜここにきたのか。その理由は朝から次々に売れていき、連休には行列ができ完売する。そのとある商品だけで、年商2億円を売り上げる超有名繁盛店だからです。


しかも一個当たりの単価は、何と108円(税込)。ということは一日平均約5555個売り上げるというわけです。



秋保町の人口(平成27年国税調査による)は4,330人。えっ!?毎日一人一個以上食べている計算になります。うむぅ~、本当でしょうか。このデータでは疑わざる負えませんが。


時には2万個以上売れる、伝説になると言わしめる超スーパーアイテムがここにあるのです。しかも不思議なのは「映える」わけでも「高級和菓子」でもないことです。


見た目は驚くほど素朴。けれどひと口食べると多くの人が「ああ、また食べたい」と言うのです。ということで、噂が本当かどうかを検証するために朝一番にやってきたわけです。


〒982-0241 宮城県仙台市太白区秋保町湯元薬師23


売れ続ける理由

この“なぜか忘れられない味”の秘密を深く知りたいなら、ぜひ読んでほしいのが、書籍『売れ続ける理由』です。


実際に手に取った時の初見での感想は、タイトルとしてもインパクトが薄く正直どこにでも売っていそうな印象しかないのです。しかし中身に目を通すと・・・。


この本は単なる成功談ではありませんでした。地方スーパーがなぜ全国区になったのか、その背景にある「人の心を動かす商売」が描かれています。



本の中で印象的なのは、さいちが“効率”よりも“お客様の日常”を徹底的に見ていること。たとえば――


今日は寒いから、温かい味が欲しいかもしれない」・「農作業帰りなら、甘さは少し強めがいいかもしれない」・「高齢のお客様が食べやすい柔らかさにしよう


ペルソナなんてものではないですね、これは。そんな細かな感覚の積み重ねが、あのおはぎの味をつくっているというわけです。


つまり、秋保のおはぎは単なる甘味ではなく、“暮らしへの気配り”そのものなんです。要するに「」のような存在なのかもしれません。


白い背景にあんぱんが中央に配置され、その上部に「売れ続ける理由」とのテキストが記載された本の表紙。

売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法


百聞は一食に如かず」です。まずはスーパーの中に入ってみることにします。一見どこにでもあるような店構えと、陳列された商品の数々。


何も変わった雰囲気や、声を張り上げて呼び込みをする店員もいません。しかしながら一ヵ所だけ異色を放つ場所がありました。


そうですねぇ、例えて話すとすれば、大型スーパーの牛肉と鶏肉と豚肉と魚の陳列された一連の長さほどのあるショウケースが全てこの商品で陳列されているという感じです。


プラスチック容器に入った紫色のおはぎが2個。黄色のラベルに「秋保おはぎ」などの文字。背景は黒い布地。

そのとんでもな商品というのがこちらです。私が伺った時には全部で4種類のおはぎが陳列されていました。「つぶあん」「きなこ」「ごま」「とうふ」。とうふ?


どうですか・・・。なにか写真映えしますか?見ただけでよだれだ出ましたか?明らかに普通なんですよ。心が躍ることもなく至って「普通」な訳です。


自宅近所のスーパーで、商品名や社名を隠して販売されていたら、全く手が伸びないのではないでしょうか。


透明なプラスチック容器に入った黄土色のおはぎ。ラベルに「秋保おはぎ」「手造り」などの文字がある。背景は黒布。

実際に食べると、まず驚くのはあんこの存在感。甘すぎないけれど物足りなくない。小豆の粒感がやさしく残っていて手作りの温度があるのです。


特筆するべきはこの「手作りの温度」が確実に間違いなく食す人に伝わってくるという点です。


機械で作ったものと手で作ったもの、目隠しして食べたとしてその違いわかりますか。分かる人にはわかるかもですが、おそらく誰が食べてもわかるくらい違うんですよ。


そして中のもち米。これがまた絶妙なんです。つきすぎず、硬すぎず、ふわりとしている。


和菓子屋の洗練とは少し違う、バラツキがあるとか雑とも違う“家庭で一番おいしくできた日”のような安心感があります。


だから食べているとどこか懐かしい。幼少期に「おばあちゃんの家で食べたような味」・「子どもの頃の記憶がよみがえる」そんな感想が多いのも納得できます。


次々食べて思いました。あのね、見た目とのギャップが半端ないんです。どう見ても甘そうでしょ?ところが一口入れると、モチ米とあんこ、モチ米ときなこ、全然甘くないのです。


もちろん甘さは口いっぱいに広がるんですが「あ~甘いなぁ」ではなく後味サッパリ。想像しにくいですよね。ごめんなさい。



『売れ続ける理由』を読むと、さらに面白いのは、さいちが「おはぎ専門店」ではないことです。本業はあくまで地域スーパー。


だからこそ“特別な日に食べる高級品”ではなく、“毎日の延長線にあるごちそう”として成立しているんです。


この距離感が、人を惹きつけるんですね。観光客だけでなく、地元の人が日常的に買っていく理由。そのリアルな支持こそが、本当に強い店の証拠なのだと気づかされました。


派手さはないのに妙に記憶に残る。食べ終わった頃にはきっと「また仙台に行ったら買いたい」と思っているはずです。


それはきっと『売れ続ける理由』に書かれている通り、さいちが“商品”ではなく、“人の気持ち”を売っているからなのだと思います。


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