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金融系サラリーマンが起業を決意するターニングポイント


 

三年勤めてみて

 

一昔前なら、すし職人は10年で半人前なんて言われてました。ちょっと乱暴な言い方ですが、入社して3年程度勤務すれば、ふと「自分は既に半人前くらいになっているんじゃないか」と「自分で気付いていませんか」ということです。



いきなり「銀行を造って起業しよう」はハードルが高過ぎですが、ベンチャー企業でコンサルティング業ならできると思ったりしたことないでしょうか。



保険会社の保険募集人なら「代理店」でやっていけるんじゃないか。不動産業なら「仲介業」ならできるんじゃないか。



金融業界で3年近く働いている方なら、おそらく共通認識に近い感覚があると思います。それは「一通り自分でできる」とか「まあ、大体のことはわかるし説明もできる」とかです。



新卒で入社した方も、異業種からの中途採用で入社した方もおそらく3年勤務されている方なら同じことを考える方が多いのではないでしょうか。



金融業でお勤めされていらっしゃる方の多くは「一匹狼」が多いですよね。クライアント探しからクロージングまで全て一人で責任をもって行い、取り扱う商品や金額が高額になることも多いハードな仕事である以上、常に緊張が背中合わせで厳しい世界だから、嫌でも知識が身についてしまう側面があると思います。会社も上司も売り上げにはうるさいですからね。


 

なぜ起業しない方を選んでしまうのか

 

しかしながら起業を少しくらいは考えるものの、最後の一歩を「踏み出さない」あるいは「踏み出せない」のには理由があると思います。それは「高額所得」と「ブランド力」ではないでしょうか。



1つには、金融機業界での平均賃金はその他の業取得レベルと比較的高水準で推移しています。転職サイトのキャッチフレーズでよく目にするのは「年収1,000万円は当たり前、頑張り次第で2,000万円プレイヤーが目指せる!」です。



これは嘘でも偽りでもなく3,000万プレイヤーもゴロゴロいる業界だからです。「わざわざリスクを負って起業しなくても十分満足」になりますからね。



2つには、金融業界の多くは大企業が多いと言うことです。つまり「企業のブランド力」によって今の成績が維持できていると感じていることです。確かに高額商品を扱う上で「ブランド力」の乏しい企業への集客はかなり難しくなるのも事実です。



せっかく入社した有名企業で勤務する自負と、それを捨てて無名から始めるリスクを天秤に掛けたら今のままで良い」となるわけです。



怖いですよ。あえてそんな危険な目に自ら飛び込まなくても、っていうより飛び込む意味がないと感じていた一人でしたから。「失敗しても元の会社で元の地位で出戻り許可してくれるなら考えるけどなぁ」とか甘いことまで考えていましたね。



 

雇用している企業側もバカではない

 

出世」とはピラミッドですよね。上に行けば行くほど空いている椅子は少ないわけです。別の記事でも書いたのですが「役員になれないなら意味がない」わけです。



人間は年を取ります。企業の社長は「若くてフレッシュな企業イメージ」に固執します。役員は企業側の人間ですから基本的には切ることはできません。切られるのは「未満社員」です。



ひとたび景気が低迷したりすると「即!人事異動発令」です。高額所得者から「肩たたき」に会う始末です。一般企業でも同じですが、そもそも所得格差が大きいわけですから「1人減らして5人雇ってもおつりがくる」の計算式です。



テレビドラマでも「部署転換」・「左遷」・「出向」・「降格人事」・「片道切符」等といった表現はよく耳にしますが、これは実際にあります。当たり前にあります。ですが入社して間もない社員にはこんな辞令出ませんよね。


私が勤めていた企業では「成績が良い時は会社のおかげ、悪い時はお前のせい」といって教育されました。たまたま成績が不振だった先輩を指差し「あんなふうになるなよ」とか「空気の綺麗なところへ転勤するか」等様々でしたね。

過去の実績や会社への貢献量、愛社精神や忠誠心などは全くといっていい程考慮されることはありません。企業存亡の危機ですから。



 

伝えたいこと

 

自分は大丈夫」・「今まで以上に成績残せる自信がある」・「上司のウケもいい」・「慕ってくれる部下もいる」・「会社にとって必要な人材だ」・「俺がいなくなったらこの店の売り上げ誰が維持できるんだ」よく思ったものです。



バカもバカ、大バカでしたね。自分が出来るくらいのこと、後から後から若手が当代してきてあっという間ですよ。その後の売り上げ大幅にUPすることだってざらにあります。



企業側は35歳を境にふるいにかけてきます。だって毎年少なからず給与は昇級はしてるは、慣れてきて知らず知らずのうちに横柄な態度を取るは、口答えするはで素直な若い子が使いやすいでしょ?しかも上席のポジションに空きがないのですから。



できることなら「もっと早くふるいにかけてよ!」って叫びたいくらいです。一番脂ののったいい時期だけ消費させて美味しい所が無くなったら「サヨウナラ」はひどすぎる。



35歳は既に「結婚」・「出産」・「住宅ローン」の可能性が高いでしょ?この機を境に「社畜」は辛すぎます。ですがこれが現実ではないでしょうか。



 

先読みすることが先決

 

冒頭にお伝えしたとおり、「3年程度勤務すれば半人前にはなれている」です。しかも5年10年選手ならもっと知見は広がっているはずです。



株と一緒です。順張りなら高成長が見込めます。逆張りは博打だと思ています。会社から「宣告」される前に、自信と勇気をもって地面をけりつけて上向き調子でさっさとケリをつけてバイバイしたものの勝利であると個人的には強く思っています。



起業は正直初めは苦しいです。泥水をすすることもあります。打ちのめされることもあります。不安に押しつぶされそうにもなります。



でも逆に「めっちゃくちゃ良いことも沢山あります」・「見たことのない景色が広がります」。全くの素人に「さあ起業しましょう」と伝えているのではありません。「3年程度勤務すれば半人前にはなれている」そんな自信がある人に考えて欲しいから記事にしています。



正直責任は取れませんが、心の叫びだと思って読んで頂けたら幸いです。だって、メッチャクチャもったいないと思うから。



本当に仕事ができる人たちが目の前で苦しみもがいているのを何人見たかわからないから。金融業界における企業側の考え方と個人の考え方は間違いなく不一致だと感じていた一人として。

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