最後の晩餐にするなら
鰻重
〒630-8365 奈良市下御門町43番地 「東京風鰻料理 江戸川」
本当に旨いウナギ料理を見極める方法はよくわかりません。ですが、箸を入れた時に「ああ、絶対に旨いんだろうな」と直感できる自信はあります。
見た目は同じでも、箸先から伝わってくる何とも表現しづらい「感じ」が全てを物語ってくれています。この世に「鰻」がいてくれて心よりありがたいと思うのです。
最後に食べたいものは何ですか?と聞かれたら「鰻重」って間違いなく言うと思いますね。しかも、最後であれば3人前くらい頂きたい。そういった代物だと思います。
以前別記事で「あつた蓬莱軒」〒456-0043 愛知県名古屋市熱田区神戸町503でも触れたことがありますが、「旨いものは旨い!」んですよ。何処が一番だとかそんなことは関係なし「食して旨い」は幸せの最高地点なんですね。
HP引用:東京風(江戸焼)は鰻を背開きにし、白焼きから蒸しに入ります。腹開きの関西風と違い背開きする理由には諸説ありますが、蒲焼が広まった江戸の街は武家社会のため「切腹」を連想させる腹開きは縁起が悪いとされ背開きが主流になったとも言われています。実際には鰻の硬い背ビレを取り除くことも含め技術を要します。 脂抜きから本焼きに入るので、関西風に比べやわらかくヘルシーなのが特徴でふっくらとした、驚くほど柔らかい鰻をご賞味いただけます
後からこの記事を読んで納得しました。「かむ」というより「はむ」って感じです。上唇と下唇で噛み切れる。一旦、口の中に入ると上顎と舌の間で溶けて無くなるんです。確かに無くなるのですが、旨味はしっかりと主張してきます。
屋台料理
今では高級料理として地位を築いている鰻ですが、もともとは徳川家が湿地帯で困っていた江戸を開発する際に、干拓して出来た泥の中に住み着いていた鰻を「労働者向けに出されていた食べ物」だったそうです。
調理方法は、ぶつ切りにして串に刺しただけの安価な屋台料理だったとか。さばき方も全国で異なっているようで、専用の包丁もあるそうです。
現在の「タレ」に漬けては焼き、漬けては焼くといった方法は元からあったものではなく、当時は塩焼きやみそ焼きが主流だったそうです。それは「何故」か。
鰻は焼くことで脂が多く染み出てしまい、醤油が弾かれて中までしみ込ませることができなかったからだそうです。職人方の試行錯誤の甲斐あって今の美味しい蒲焼が誕生したのですね。
風情あるお店
「東京風鰻料理 江戸川」は、創業時より60有余年を経ています。その建物は当時の面影を残しているような雰囲気のあるお店でした。敷居は「石」でできています。
また、通していただいたお部屋はもともと呉服商家の賄所及び調理所で、吹き抜けになっており、よって天井が高く煙を逃がす構造になっています。
時間がタイムスリップした感じさえしました。この空間で静かに頂く「鰻重」は本当に美味しく最高の時間を過ごさせてくれました。
まとめ
料理といて「鰻重」は最高であることは間違いなく、雰囲気も文句なしのお店です。そしてこの店一番は従業員さんの「愛想と機転」ではないかと思いました。
これなしでは語れないですね。どれだけ忙しくても、笑顔はもちろんのこと、一組一組のお客さんへの配慮には驚かされます。本当にごちそうさまでした。
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