不動産買取り[事故物件編②]
前回と同様に粛々と目の前のことに集中して、大切な不動産を次の方にしっかりと引き渡すこと。そのことだけしか考えていませんね。
商品物件として不動産を買取りする場合、注意すべきPointは、ただの一点です。再販売時に「いくらで売却できるのか」です。
心理的瑕疵
購入したのは、いわゆる「心理的瑕疵物件」に該当する不動産でした。広義の意味では「事故物件」とされるようです。
相続人様からのお話によると、時期は6月で14時ごろに発見。死因はマンションの高所にある共用部からの転落によるもの。警察署で確認して事件性が認められないため、自殺と断定。
相続人様のご意向で、物件を売却することに。仲介業者の担当者からご紹介して頂き、内容を理解した上で購入の検討をさせて頂きました。
物件概要
専有面積:約91㎡
バルコニー:約22㎡
間取り:4LDK
駅までの距離:4分
セールスPoint
南東角部屋
高層階にて眺望良好
タワーマンションタイプの一室で、リビングからはパノラマビューの景色が広がりを見せてくれそうです。4LDKのマンションは希少性が高く、本当に良い不動産だとすぐに想像がつきました。
物件調査(マンション編)
前回の記事で紹介した内容と全く同じ方法で、物件調査を開始します。
一通り調査が終わったら、いつもと同じように試算を行います。「いくらで売れるのか」ここに全集中します。
お部屋の中も確認させて頂きました。「高所にある共用部から転落による自殺」のため、お部屋の中はきちんと整理されており、きれいな状態でした。
※写真はイメージ画像です。
何処から転落したのかも確認しました。万一、建物自体になんらかの原因があって転落したのであれば、大変だと思ったので。もちろん警察の現場検証は信用していますが。特に問題はなく、通常使用時では転落は考えにくいこともわかりました。
リフォーム業者の立会のもと、建付け等の不具合箇所や水回りなどの入れ替えに関する費用を算出してもらいました。その後価格が折り合い買取りの契約へ。
事故物件を取り扱う際の考え方
なんでもかんでも一口に、「事故物件」とまとめたりはしません。死因や原因だけでなく、そのことで不動産への影響や状態も様々変わってきます。
一般の購入者の中には、その内容によって「購入する」or「購入しない」の判断基準をもっている方も多いわけです。
今回の場合も亡くなられたという事実はなんら変わりませんが、たとえば「自殺」と「事故」で原因が変わってきます。
事故物件」と聞くと、「購入を遠慮する人が多い」、これは事実だと思います。ただ全員ではないということです。もしも誰も購入しないとなったらそこら中に空き部屋が増え続けることになりますよね。
「亡くなる時は家以外で」なんてもし言われたら、寂しいじゃないかって思ったりもします。ただし、私情は挟まないようにしています。鉄則です。
結 果
売主様から物件のお引き渡しを受けて、リフォームを無事に完了。販売開始から約6ヵ月で購入者が決まりました。「純利益率約8.3%」を得ることができました。
もちろん購入者様には「心理的瑕疵」について、書面と口頭により説明させて頂きました。その時に伺った内容です。
購入者様のとらえ方
「仕事が医療関係に従事する者です」
まとめ
「心理的瑕疵物件」が、そうでない物件と全く同じ様に扱えると伝えたいのではありません。
ですが特段注意しなくてはならないことは本当に少ないです。本来その不動産の持つ魅力や価値を、一旦切り離して考えることもできると言うことです。
今回のポイント
「心理的瑕疵」の「原因」と「状況」を目と耳で確認
購入者側の購入判断材料は様々であることを知ること
不動産そのものに原因がある、なんてことはないこと
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