不動産買取り[事故物件編③]

不動産を買取りする前に、私自身が特に注意している点をいくつか紹介したいと思います。


今回の買取り不動産は一戸建です。前回の分譲マンションとは多少内容が異なりますが、大きな違いはありませんね。大切なことは不動産をしっかりと調査して次の方へと引き渡すこと。そのことだけを考えましょう。


商品物件として不動産を買取りする場合、注意すべきPointは、ただの一点です。再販売時に「いくらで売却できるのか」です。



 

心理的瑕疵

 

購入したのは、いわゆる「心理的瑕疵物件」に該当する不動産でした。広義の意味では「事故物件」とされるようです。


相続人様からのお話によると、時期は3月で19時ごろに発見。死因は浴室にて焼死。警察署で確認された結果としては、事件性は認められないとのこと。


浴室は全焼していましたが建物全体的にはボヤ程度の焼け跡でした。相続人様のご意向で、物件を売却することに。仲介業者の担当者からご紹介して頂き、内容を理解した上で購入の検討をさせて頂きました。


 

物件調査(戸建編)

 

物件調査を開始します。土地はマンション等と異なり調査項目は正直多くなります。が、一度覚えたらあとは繰り返しです。


下表のように文字にするとなんとなく「面倒だな」と思われるかもしれませんが、実際には1日程度掛かるかどうかです。


  1. 法務局で「全部事項証明書」や「公図」「地積測量図」等を取得します

  2. 近隣での土地・戸建(中古・新築)の売り出し物件の有無を調べます

  3. 直近の近隣での土地・戸建(中古・新築)の成約事例を調べます

  4. 近隣の類似物件の成約事例から建物の残存価格を割り出して、成約価格からその分を差し引いて土地の㎡単価を割り出し比較検討します

  5. 固定資産税評価額を調べます

  6. 路線価格と地価公示価格を調べます

  7. 都市計画について道路種別、用途地域や高度地区ほか各種調べます

  8. 埋蔵文化財や防災区域や災害区域内外を調べます

  9. 地中内埋設物や越境物がないかを調べます

  10. 水道・下水道・ガスなどのライフラインを調べます

  11. 土壌汚染の有無やアスベストの含有について調べます

  12. 境界標について確認調査を行います

  13. 敷地の辺長を測ります

  14. 近隣住人との取り決め等がないか調査します

  15. 物件周辺の仲介会社に電話して、相場の聞取りや流通性を調査します

  16. 周辺地域内で新築一戸建が販売されているかを調べます

  17. 現地に行って、周辺環境や駅からのアクセスを調べます

  18. 物件近隣の商業施設、駅、学校等までの距離を歩いてみて回ります

  19. 近隣住人の方と、住み心地などについて可能であれば話をします

  20. 司法書士・建築士・土地家屋調査士・建築業者に必要な調査内容を渡して見積もりを出してもらいます。

初動調査が一通り終わったら、いつもと同じように試算を行います。「いくらで売れるのか」ここに全力集中します。


通常通りお部屋の中も確認させて頂きました。お部屋の中は生活用品などがそのままになっていたため、相続人様と打ち合わせの上相当の期間を猶予して必要なものを搬出し、その他のものは処分することで合意しました。その後価格が折り合い買取りの契約へ。


 

事故物件を取り扱う際の考え方

 

  • 心理的瑕疵」の「原因」と「状況」を目と耳で確認

  • 購入者側の購入判断材料は様々であることを知ること

  • 不動産そのものに原因がある、なんてことはないこと


ビジネスに私情を持ち込んで引けません。もし、心理的瑕疵の物件を購入する方がいないのであれば辺りは空き家物件だらけになっている事でしょう。確かに気にされる方は大勢いらっしゃいます。そのことから購入を懸念される方も大勢いらっしゃいます。


当然報告義務がある以上、正直にかつ丁寧に説明し、購入希望者には理解を得なければならないので売りやすいかといえば決してそうではありません。


前回もそうでしたが、この世の中には大勢の人がともに生活して暮らしています。考え方もそれぞれですから、見合った方に気に入っていただけることを信じてただ粛々と進めていくまでです。



大切な不動産を引き継がせて頂くうえで、神主様にてお祓いはしっかりと済ませておくことをおすすめします。


近隣の方々に今後のスケジュールや工事期間中のご迷惑をご容赦頂きますようしっかりと挨拶を済ませおきます。


 

結果

 

前所有者様から物件のお引き渡しを受けて、販売開始から約14ヵ月で購入者が決まりました。「純利益率約8.1%」を得ることができました。


もちろん購入者様には「心理的瑕疵」について、書面と口頭により説明させて頂きました。その時に伺った内容です。


購入者様の心境


夫婦の仕事場へのアクセスを最優先に考えています。嫁の両親の近所ですから安心です。


 

まとめ

 

正直、購入した後不安はついて回ります。売れない間は「やっぱり原因は」などと弱気になったりします。今回は1年以上かかりました。


しかし最後まで「成約したのは運が良かった」と思わないようにしています。運とは博打だと思っています。博打で仕事はできません。諦めたらすべてが終わってしまいます。

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